michan-blogの日記

誰かの役に立てるといいな

マネジメントは緻密さが必要!

 前回マネジメントについて私が実践してきた大切なことをお伝えしましたが、今回もさらに具体的に大切なことをお話したいと思います。

緻密さとは何?

緻密さという言葉を使ったのは、細かな努力や行動、言動がマネジメントでは必要だからです。売上だけを細かくチェックしても、適当に人と接していては人のマネジメントはできません。おそらくそれで運営ができているのは、たまたま問題が起きていないだけかもしれません。
今回は、私がどのような緻密な努力をしていたかをまとめたいと思います。

 

◎こまめにLINEやメール、電話で連絡をする

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遠隔で毎日会うことができないスタッフや店舗のスタッフには、こまめにメールやLINEでコミュニケーションをとっていました。仕事の話を中心に、仕事以外の話は相手に合わせておこなっていました。

オフィスで毎日顔を合わせるスタッフは直接声をかけることもできますし、顔や表情も見ることができますので、LINE等を使用する必要がそれほどありませんが、そうでない場合は、LINEやメールが生きてきます。

普段から何らかの手段でコミュニケーションをとることで、相手の近況や不満、考えていることなどが自ずとわかるようになり、さらに、各個人の困ったことや意見、考えを自然に吸い上げることができるようになります。

上司に直接は言いづらいこともLINEでは言いやすいというスタッフも多いですし、何気ない会話のなかの延長で意見を聞くこともできるようになります。

聞かなくても相手から相談事や意見がでてくるようになればOKだと言えます。

しかし、執拗にプライベートに踏み込むのはNGです。あくまでも仕事ですので、そのあたりが相手に合わせてバランスをとることがすごく大事です。

 

◎具体的にLINEでどのような話をするのか?

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私が行っていたのは、節目の挨拶や声掛けが中心でした。

「お疲れ様」「来月もよろしく」「体調は?」「無理をしないように」「ありがとう」などの声掛けをするだけでも立派なコミュニケーションです。

これを毎日すると相手もうんざりしますので、定期的に行うことでつながりを持つということがとても大切です。

ちなみに私は毎年、年末には一年の総括として各社員にそれぞれのメッセージと年始には私自身の指針や意気込みを伝えていました。あえて個別に伝えることで全体に発信するよりも気持ちも伝わりますし、他の管理職とも差別化を図ることができます。

 

◎毎日社員の表情や顔色、目力、声のトーンはチェックする

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特に朝の表情や顔色、声のトーンは毎日意識してみていました。もちろん朝から元気いっぱいの社員も多くはないですが、いつも見ていると変化に気づくことができます。

いつもより元気がないのか、目が充血しているのか、体調が悪そうなのか、すぐに分かります。もちろん毎日顔を合わさない社員についても、会える時には必ずチェックしていましたので、変化に気づくことができます。

体調管理のためにチェックするというよりは、「何か悩みを抱えていないか」「モチベーションが下がっていないか」「ネガティブになっていなか」などのバロメーターにしていました。

早いうちに解決してあげることが大切ですので、特に店長や施設長などの店舗責任者には意識させていました。

 

◎責任者や中堅よりも新人や末端の社員を意識する

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管理職になると責任者や中堅とは、自ずと仕事で関わる頻度が高いですが、末端で働いている新人などの社員とは関わりがほとんどないケースもあります。

末端まで意識するというよりは、末端ほど意識するといったほうがいいかもしれません。
そうすることで、新人は「自分にも気をかけてくれているんだ」というモチベーションに変わります。
末端で働く社員ほど、堅苦しい話は抜きにしてラフに接することもひとつの方法かもしれません。

 

◎常に相手の立場に立って考える

各社員を取り巻く環境、売上や成績などをもとに、「今何を思って働いているのか?」「今どのような心境なのか?」など相手の状況を常に想像しながら、私は仕事をしていました。
時には、売上や成績についての厳しいチェックや指示を細かく出したくなることもありますが、相手の状況を考えてあえて言わないということもありましたし、成績が悪い時よりも良いときほど厳しいチェックをするなど、相手の状況を見ながら緻密なコントロールをしていました。

 

◎新しいヒントや気づきを与える

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社員が悩みを抱えているときや思うような結果がでていないときに、皆さんはどのようなアドバイスをされているでしょうか?

新たらしいヒントや具体策、気づきを与えてあげることができているでしょうか?
目の前の現状を打破するための解決策をすぐに出してあげることが管理職には必要です。

よく部下の愚痴ばかり言う管理職がいますが、部下の責任は上司の責任でもあります。部下の成績も部下の失敗もすべて管理職の責任です。本来の役割というものを忘れてしまっている管理職も多いのが現状です。

 

◎どんな些細なことでも社員からの意見や相談は親身に

緻密な行動を継続してとることで、少しずつ社員から意見や提案、相談などが増えてきます。そんな時こと親身になって聞く姿勢が大切です。

良い人ぶる必要はありませんが、どれだけ忙しくても、どれだけ予定が詰まっていても、どれだけ体調が悪くてもいつ何時も「社員ファースト」です。これを忘れない限り、部下からの信頼や信用度は悪くならないと思います。

社員を甘やかす必要はありませんし、媚びる必要もありませんが、上司ぶる必要もないということですね。


さいごに

緻密さについて少しでも伝わったでしょうか?もしかしたら「こんなことまでしないといけないの?」って思われた方も多いかもしれません。

しかし、ヒトを管理することって本当に難しいです。ヒトを100%管理することは難しいですし、自分の思い通りに動いてくれないのもヒトです。だからこそ、マネージャ-陣の緻密な手腕が必要になってくるのです。

マネジメントに必要なことって意外なこと!

私がこれまで各業界でスーパーパイザーやエリアマネージャーを経て経験してきたことをもとに、マネジメントをするうえで最も大切なことをお話したいと思います。よくあるマネジメント本やコーチング本などと異なる内容になると思いますが、私が日々実践していたことを中心にお伝えします。

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そもそもマネジメントとは

部下を持つ立場になるとプレイングとは異なる「マネジメント能力」が必要となります。
「マネジメント」ってよく耳にすると思いますが、そもそも何でしょうか?

マネジメント能力とは直訳すると「管理する能力」ですよね。何か物事を管理したり、運営したりする能力になります。

その管理する対象となるのが、「人」や「組織」で、「ヒト、モノ、カネ」の経営資源を使って経営目標を達成させる経営管理スキルというのがいわゆる定義みたいな感じです。


「マネジメント能力」は営業力の高さやスキルの高さに比例しない

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プレイングでの実績が評価されると、ビジネスマンは、マネージャーや中間管理職に昇格していきます。しかし過去に実績を残してきた社員が、マネジメントは全くできないということは良く目にします。営業力や秀でたスキルがあっても「マネジメント能力」はそれに比例しないのです。

上司の立場になってから、思うように結果が出せず、悩まれている方も非常に多いのではないでしょうか?
人を動かすことや組織を動かすことは本当に難しいです。自分の手ですべてやった方がはるかに簡単と思う人も多いのではないでしょうか?


私が気をつけていたこと

◎自分の過去の経験を押し付けない!

過去にすごい功績を残した人間ほど、自分の経験談を話すマネージャー陣は多いですが、それだけではなんの意味もありません。その経験はあくまでもその時代のその人の経験ですので、それがすべてと勘違いして社員教育しているマネージャーは多いです。
マネージャー陣の過去の実績は、話せば話すほど「へ~凄いな~。私には無理だな~」って特に新人や実力を発揮できていない社員は、そうなってしまいます。
時代も、その人の個性もまったく違いますので、ある程度の本質は変わらないにしても、その人その人に合わせて教育することが必要になってきます。

◎上司ぶらない

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役職がついてくると、部下や新人に対してやたらと偉そうに上司ぶるマネージャー陣は多いです。ひどいときはお役所の人間か?というほど目に余るときもあります。「私はそんな偉そうにしていないです」という管理職の方も多いと思いますが、自分自身で気づいていない人のほうが多いのです。

私が実践していたのは、役職が上に上がれば上がるほど低調に低姿勢に、腰を低く、人と接していました。腰の低い人間は高い人間よりも少なからず第一印象はプラスになります。相手との距離も縮めやすくなります。相手も言いたいことが言いやすくなり、聞きたいことも聞きやすくなります。管理職の方々は一度自分の行動や態度を見直してみてください。少しでも横柄な偉そうな部分があると、そういうところほど社員はしっかりと見ています。

◎同一に均等に社員と接する

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例えば30人の部下をもっている管理職がいるとします。その場合、30人全員と同じ接し方、同じ頻度で接していました。誰かだけため口で、誰かだけ高圧的に、誰かだけおちゃらけるといったような接し方をしていると、相手は「私にだけは。。。」とネガティブになる社員も多いです。そういった意味でも一定の接し方、私の場合は誰に対しても低姿勢を基本として接することを意識していました。
意外と社員って、上司の普段の言動や態度、行動を凄く見ています。見られているという意識は必要です。

◎社員ファースト

トランプさんと違って社員(部下)ファーストに接していました。自分のことはすべて後回しにしてでも社員のことはスピーティに対応することを心がけていました。
その分何か自分を犠牲にしてしまっていることもありましたし、残業が増えることもありました。ただ、それだけ社員ファーストに接しても部下にとってみたらそれが普通だと思われる現代社会です。ですから、「これだけ社員のために私はやっている」とか、「これだけやってあげているのに…」という人もいますが、そうではなく、これらはすべて「上司として当たり前の行動」とい意味でとらえてください。

◎自分から社員に挨拶と声掛け

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上司のイメージって、オフィスの奥のほうに座って社員があいさつに来るというイメージはありませんか?
あるいは、通り過ぎると深く頭を下げて相手から挨拶される大手の会長のようなイメージってないですか?
そういう時代はもう昭和で終わっています。今の時代は、自分から挨拶や声掛けを、しかも積極的にしないとダメです。相手にしてもらうのを待っている時代は終わりました。
要は私が言いたいのは、役職が上がれば上がるほど新人の時から今までやってきたことを常に意識していたということです。「あの人偉くなって変わったなあ…」って思われたら終わりだと思います。

◎重役出勤はしない

全国のエリアへ出張に行く機会が多かったですが、その際は誰よりも早く出勤していました。店舗がオープンしてから偉そうに出勤するマネージャー陣も多いですが、私は絶対それはしませんでした。個人的なこだわりなのかもしれませんが、私の基本のスタンスである「低姿勢」「上司ぶらない」を実践すると行動は自ずとこのようになります。

少し話がずれるかもしれませんが、私服で働く店舗の場合などへ臨店する場合は、私自身も私服で行くようにしていました。スーツを着ているだけで一目置かれてしまいますので、そういった細かなところまで気を配るようにしていました。

だからと言ってマネジメントがうまくいくというわけではありません。これも普通の行動だと思ってやっていました。でもこれらを継続して行うことで、徐々に社員からは「あのマネージャーさんは、今までのマネージャ-と少し違う…」って思われるようになってきます。

さいごに

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今回は、私が実践してきたことを中心にお話しましたが、それほど凄いことをしているわけではありません。役職が上がっても常に初心をもって行動していただけなのです。しかし、これを行動することが実は社員にはすごく伝わっていた気がします。さきほどの「今までのマネージャーと少し違う…」と思われ始めてからが本来のマネジメントがスタートしていきます。
その場では、皆さん「わかりました!」って素直に理解したふうになりますが、なかなか言葉だけでは相手の腹の底には落ちないと思ったほうが良いです。言葉の前に自分自身を見てもらうということが必要になってくると思います。

2020年は花粉が早くから飛ぶので注意!

2020年は花粉が飛ぶのが早い!

花粉症の症状と原因

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花粉症は花粉に対するアレルギー反応が発生する病気です。おもにくしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状と、目のかゆみ、涙、充血といった目の症状を引き起こします。
また花粉の種類によってはのどや皮膚のかゆみ、咳やたん、下痢や食欲の減退、微熱といった症状を引き起こすこともあります。
花粉が体内に入ると、免疫機能により受け入れられるかどうかが判断され、異物として排除対象と判断されると、花粉を攻撃する抗体が作られ、花粉を体外に出そうと抵抗するようになります。
この抗体の働きがアレルギー反応であり、花粉を体外へ出そうとする行動がくしゃみや鼻水、涙という形で現れるため、花粉が体内にある限り、それらの症状が止まらなくなってしまうのです。

花粉の種類

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花粉症を引き起こす花粉は、日本では約60種類あると言われています。樹木から出る花粉だけでなく、草花から出る花粉も含まれています。また地域や季節によって飛散する花粉の種類が異なり、人によってアレルギーの原因となる花粉の種類も様々です。
もっとも有名な花粉はスギの花粉です。東北から九州まで広い範囲に存在し、日本中で最も多くの花粉を振りまいています。
例年、ピークは2月中旬から4月下旬の約2か月間で、花粉症の代名詞といえるほど強烈な症状を引き起こす樹木です。スギ花粉が収まるころに出てくるのがヒノキです。3月末から5月初旬に飛散のピークを迎えます。スギほどではありませんが、飛散量はかなり多く、スギ花粉と併発させている人も多い花粉です。
樹木に比べると飛散量は少ないものの、年間通じて花粉を巻き続けるのがイネです。
12月から1月以外はほぼ飛び続け、春から夏にかけて飛散量を増加させます。
そのほかにも秋口にはブタクサ、ヨモギといった草花の花粉飛散量が増加しています。

花粉症対策

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もはや国民病といえる存在となった花粉症ですが、症状を和らげる方法をご紹介います。

◎花粉が飛ぶ日を把握する

花粉は特定の条件の日に飛散しやすいため、その日の外出を避けるのも効果的です。夜間や雨の日、気温が低い日は花粉が飛びにくいため、外出する用事はその条件の日に済ませておくのが良いでしょう。
花粉が飛びやすい条件には以下のものがあります。
・気温が高く湿度が低い日
・風の強い日
・前日に雨が降った日
・晴れた日の昼過ぎ
・晴れた日の日没ごろ

◎花粉を体内に入れない

症状を緩和させるために何よりも大切なのは、花粉を体内に入れないことです。
花粉のほとんどは鼻と口から体内に侵入してくるため、その侵入経路をふさぐことが重要です。そのためには花粉症用のマスクの着用は欠かせません。正しく装着することで7~8割の花粉の侵入をふせぐことができます。しかしつけ方を間違えていたり、サイズが合っていなかったりすればその効果は半減します。また、目の粘膜に花粉が付着しないように、花粉症用のメガネをかけることも効果的です。

マスクの装着時は以下の点に注意しましょう。
・顔にあったサイズのマスクをつける
・ノーズクリップの形を鼻に合わせる
・プリーツを伸ばし、鼻から顎まで隠れるようにする
・くしゃみや鼻水で内側が汚れたらすぐに交換する

◎粘膜から花粉を取り除く

マスクやメガネで対策しても100%の花粉を防ぐことはできません。
ある程度は花粉が粘膜に付着してしまいますので、しっかり取り除いておきましょう。
目から花粉を取り除くためには、しっかり洗眼するのがよいでしょう。
しかし、大量の水道水は目を守る役割を持つ涙まで洗い流してしまうため、洗眼薬を使うことをおすすめします。洗眼薬は1日当たりの使用回数が定められているものもありますので、用法を守って使用しましょう。
鼻の粘膜の洗浄には鼻うがいが効果的です。鼻うがいは液体を鼻孔から流し込み、粘膜を洗浄する方法です。しかし水道水などでは浸透圧が体液と大きく異なるため、鼻の奥がツーンと痛くなってしまいます。
そのため快適に鼻うがいをするための準備が必要です。
鼻うがいのために次の準備を行いましょう。
・水道水を人肌程度まで温める。
・0.9%食塩水を作る(1リットルの水に対して9gの食塩)
・先が細くなっているボトルなどで鼻の奥に流し込む。
※鼻うがい専用の液剤も販売されていますので、そちらを利用する。


◎治療薬を使用する

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花粉症の症状を抑えるためには、アレルギー性の症状に適した治療薬が有効です。
症状を抑えるためには、アレルギー反応による症状を引き起こす「ヒスタミン」の発生を抑える「抗ヒスタミン薬」があります。鼻づまりがひどい場合には、血管を収縮させる働きを持つ薬も有効です。
目の症状がひどい場合には、飲み薬だけでなく点眼薬も併用すると良いでしょう。
残念ながら花粉症の症状を完全に抑える薬はありませんが、症状を適切に軽減させるため、花粉症のそれぞれの症状に合わせた薬を選ぶようにしましょう。

◎治療を行う

花粉症のようなアレルギーの根本的な治療法に、「アレルゲン免疫療法」があります。
アレルゲンを含む治療薬を適切に摂取することで、アレルゲンに体を慣らし症状を緩和もしくは完治させることが期待できます。
スギ花粉に対しては舌の下から薬を摂取する「舌下免疫療法」があります。
スギ花粉のシーズン以外の季節も継続してスギ花粉の抗原を摂取していきます。
また近年では「レーザー治療」も注目されています。
アレルギー反応を起こす鼻の粘膜をレーザーで焼き、アレルギーを起こす場所を減らすことで症状を緩和させる治療法です。
体質を改善するものではないため、粘膜が回復することで再び花粉症の症状が現れるようになりますが、一度の治療で2年ほど効果が持続し、再治療を受けることも可能です。


花粉症におすすめの食べ物

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花粉症はアレルギー反応のため、体の免疫力を高めることで抵抗力を上げ、アレルギー反応を抑えることが期待できます。

◎乳酸菌

免疫機能をつかさどる免疫細胞の約60%は腸に集中しているため、腸の環境を整えることが正常な免疫機能の活動につながるのです。
また、白血球の中に含まれる免疫細胞「Th1」「Th2」のバランスが、花粉症の発生に深く関わっています。
この2つのバランスが取れていると免疫機能が正常に働きますが、花粉に反応する「IgE抗体」の産生に関わるTh2が多くなると、アレルギー反応を引き起こす「ヒスタミン」を発生させやすくなるのです。
乳酸菌は腸内環境を整える働きが知られていますが、免疫細胞のバランスを整える働きも持っています。
Th1とTh2のバランスを保つことで過剰なIgE抗体の産生を抑え、ヒスタミンの発生を抑えるよう働きかけてくれるのです。
乳酸菌の代表的な食品としてヨーグルトやチーズ、味噌、キムチなどの発酵食品が挙げられます。

◎食物繊維

免疫力を高めるためには食物繊維をとることも効果的です。
食物繊維は腸内環境を整える働きだけでなく、乳酸菌などの善玉菌のエサになるため、腸内を整える善玉菌の増加をうながしてくれます。
善玉菌の増加は、アレルゲンとなる花粉の吸収を抑える「IgA抗体」の増加にもつながるため、積極的な食物繊維の摂取が花粉症の症状を抑えることにつながります。
花粉症を悪化させないためにできること


花粉症の症状を緩和させるために

これまでに紹介した対策に加え、生活習慣を見直し免疫力を向上させることで、花粉症の症状を抑えることができます。

◎バランスのとれた食事

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すでに紹介した乳酸菌と食物繊維の摂取も含め、栄養バランスのとれた食事をとることが免疫力の向上につながります。
特に脂質のとりすぎは善玉菌を減らす悪玉菌を腸内に増やすことにつながるため、脂っこいものや肉類はとりすぎないように注意が必要です。
また香辛料など刺激の強い食物は、鼻の粘膜を刺激するため、アレルギー反応を促進させる恐れがありますので、摂取は控えるようにするのがよいでしょう。

◎アルコールを控える

アルコールも花粉症のアレルギー反応を悪化させる恐れがあります。
アルコールを分解するときに発生するアセドアルデヒドは、アレルギー症状のもとになるヒスタミンの発生を促してしまいます。
また、アルコールは血管を拡張させるため、鼻の粘膜の浮腫みや鼻づまりを促進させてしまうので、花粉症の季節はアルコールの摂取を抑えることが必要です。

◎タバコを控える

同様にタバコもアレルギー反応を悪化させる要因の一つです。
タバコの煙は鼻の粘膜を刺激するため、鼻の症状を悪化させます。
タバコの煙は喫煙する本人だけでなく、周囲への受動喫煙の影響も大きいため、普段以上に花粉症のシーズンはタバコを控える(または禁煙する)ように心がけるのがよいでしょう。

まとめ

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花粉症は今では日本人の25%が発症しているという国民病であり、今なお人数は増加しています。一度発症すると治療は簡単ではなく、完全に治すことは難しいといわれています。しかしアレルギー反応がでる花粉のシーズンに適切な対応をし、免疫力を高めるよう習慣を身に着ければ、その症状を緩和させることは十分可能です。
次の花粉症シーズンに向け、今から生活習慣を見直し免疫力を向上させ、快適なシーズンを過ごせるよう対策を進めていきましょう。

 

参考文献:JWAニュース | 日本気象協会

高血圧は放置できない!

高血圧は放置できない

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生活習慣病とは、遺伝的な要因や加齢に加え、偏った食生活や運動不足・ストレス・喫煙・飲酒などの好ましくない生活習慣を長年続けることによって起こる病気のことをいいます。
生活習慣病動脈硬化を進行させ、心筋梗塞脳卒中脳梗塞脳出血くも膜下出血)の危険因子となるため、放置はせず充分な対策をすることが必要です。
今回は生活習慣病のなかで「高血圧」についてお話します。

高血圧について

高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返し測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。
生活習慣のほか、塩分の取りすぎが原因となり、動脈硬化を進行させます。
放置すると血管や心臓に負担がかかるため、塩分を控えたり薬による適切な治療が必要になります。

動脈硬化とは

血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなります。これが高血圧による動脈硬化で、この動脈硬化は、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となります。また、心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要です。

主な高血圧の原因は?

・過剰な塩分摂取
・肥満
・過剰飲酒
・精神的ストレス
・自律神経の調節異常
・運動不足
・野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
・喫煙

高血圧の方の日常生活での注意点

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◎減塩について

塩分をとり過ぎると体内に水分が蓄積し、血流量を増加させます。これにより血圧が上昇します。1日6g未満を目標にしましょう。

◎寒さについて

暖かい所から急に寒い所へ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくするようにしましょう。
冬の外出時は、マスクやマフラー、手袋などで肌の露出部分を少なくすることや、居間と浴室、トイレの温度差が少ないよう暖房や着衣に気を付けましょう。
夏は冷房が効き過ぎた部屋からそうでない所へ出る時にも血圧を上昇させるので、外気との温度差が5度以上にならないよう気を付けましょう。

◎入浴について

入浴も血圧の上昇や下降に関係します。特に冬は、寒い脱衣所で裸になると血圧が上がり、熱い風呂に入るとさらに上昇し、風呂に浸かっていると徐々に下がります。そして、風呂から上がると血圧は大きく下がります。あまり熱い湯(42℃以上)ではなく、ぬるめ(40℃ぐらい)の風呂に5〜10分間位浸かりましょう(長湯は禁)。前述のように、風呂場は冷たくないよう暖房をかけたり湯気がたっている状態で使用するのが良いでしょう。

◎排泄について

いきみの時間が長いと血圧が上がります。スムーズな便通を心掛けるよう普段から便秘を予防しましょう。毎日便意がなくても、決まった時間にトイレに行くことや、胃や大腸は朝食後に刺激を受け、活発に動くので朝食後の排泄が望ましいです。また、朝食前に冷水や冷たい牛乳を飲むことも良いでしょう。繊維の多い野菜(人参・大根・ごぼう)や海藻類を多く摂ることも良いと思います。

◎十分な睡眠と休養について

毎日、仕事や家事、育児など、必ず過労や緊張、精神的ストレスがありますが、なるべくこれらをとり除きくためにも、毎日規則正しい生活を送り休養を十分にとり疲れを残さないようにしましょう。過重労働・超過勤務・夜更かしは避けてください。

◎たばこについて

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たばこは「百害あって一利なし」です。喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がるばかりでなく、血液の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり、動脈硬化の原因となります。そうでなくても私達の体は加齢と共に動脈硬化が進んでいます。

◎お酒について

1日の飲酒量は、男性ではアルコールとして1日20〜30mlまで、日本酒なら1合=180cc、ビール中びん1本、ウイスキー水割ならシングル2杯まで、女性はその半分までが適量と言われています。大量飲酒は血圧を上げ、脳卒中や心臓病、肝臓病などの原因になりますが、一方では少量飲酒者は飲まない人に比べて動脈硬化がいくらか軽く、心筋梗塞や循環器病での死亡も少ない事も知られています。一部の人を除いては、禁酒の必要はありません。

◎肥満について

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太り過ぎは血圧を上げ、心臓にも負担をかけ、全身の動脈硬化を進めたりします。肥満判定基準で男女共に、BMI=25以上は肥満といえます。但し、BMIで25未満を目標としますが、人それぞれの体にあった減量方法、減量傾向があり急激な体重減量が必ずしも正しいとは言い切れません。先ずは医師にどれくらいの体重が望ましいか、どういう方法とどれくらいの期間で痩せれば良いかをたずねてみましょう。高血圧の治療と同じで、根気よく、減量にとり組む心構えが必要です。

◎運動や労作について

運動や労作の許される程度は、その人の高血圧の重症度や合併症の有無と関連するので、まず医師にどの程度、運動しても良いかを、たずねてみましょう。軽い運動(散歩・自分のペースでのジョギング・ラジオ体操・自転車にのる)は、血液の流れを良くし、全身に良いだけでなく、肥満防止につながり気分転換にもってこいです。但し、運動をしていて、息切れが強い、胸がドキドキする、頭がフラフラするなどの症状が起こり、しんどい時は、医師に相談して下さい。

生活習慣病の予防

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生活習慣病は、かたよった食事・運動不足・飲酒・喫煙・ストレスなどが原因ですので、日々の生活を改善することで予防することができます。特にバランスのとれた食事や運動を行うことで肥満をはじめとするリスクを取り除くことができ予防につながります。
また、生活習慣病と心臓病は密接に関係しています。生活習慣病を予防することによって、心臓病の予防にもなります。

◎食事はバランスよく

・1日3食ともに主食(ご飯・パン等)、主菜(肉・魚・卵・大豆等)、副菜(野菜・海藻類)を揃えましょう。
・食事はゆっくりととるようにしましょう。少量でも満腹感がえられます。早食いは食べ過ぎのもとです。
・塩分は控えめにお願いします。麺類は汁を残す工夫をしてください。

◎運動の習慣を

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・毎日8,000~10,000歩を目安に歩く習慣をつくることが良いでしょう。
・可能であれば、休日などを利用して30分程度のジョギング、1時間程度の速歩での散歩が良いでしょう。

◎適度な飲酒と禁煙を

・1日ビール中瓶1本、日本酒なら1合程度におさえましょう。
・週2回の休肝日をつくることも心がけましょう。

 

さいごに

生活習慣病は食事や生活習慣の改善・見直し、適度な運動と休養などで体重を管理することによりかなりの割合で予防が可能です。
また自覚症状がなくても、健康診断をうけることにより生活習慣病の発病や兆候を発見することができます。この機会にご自身の健康を見つめ直していただき、健康で充実した生活をお過ごしいただければと思います。

 

参考文献:e-ヘルスネット(厚生労働省)

尿酸値について

尿酸値について

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近年、食生活やライフスタイルの変化に伴い、尿酸値の高い人が増加傾向にあります。尿酸とは、細胞中にあるプリン体という物質が肝臓で分解されて生じる老廃物です。尿酸が血液中に溶ける量には限界があり、ある一定の尿酸値を超えると、溶け切らなくなった尿酸の結晶化が始まり、関節などに沈着します。尿酸値が高くなると高尿酸血症と診断され、放っておくと関節などに激痛を伴う痛風に進行します。
今回は尿酸値についてお話したいと思います。

◎尿酸値が高いと死亡率を高めるリスクも

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尿酸値は健康診断で測定することができますが、この数値が高い状態を「高尿酸血症」と言います。生活習慣病のひとつである高尿酸血症は、現在、日本では潜在患者も含めて約500万人がかかっているといわれています。高尿酸血症は、はじめは自覚症状はありません。しかし、尿酸値の高い状態を数年間放置していると、ある日突然、足の親指が激しく痛み出すことがあります。これが「痛風」です。痛風の発作が起きても、尿酸値を下げるための治療をしなければ発作は繰り返され、痛みは慢性化します。足にコブができる方もいます。また、痛風と同様にいきなり激痛が起こる尿路結石にもなりやすくなります。
痛風を予防するためには、尿酸値が高いと指摘された時点から、早めに尿酸値を下げることが大切です。さらに怖いのが高血圧や糖尿病などの合併症を引き起こすリスクがあります。尿酸値が高いと生活習慣病になることが多く、心筋梗塞脳梗塞の危険度も高いと考えられています。痛いだけでなく、死亡率の高い病気を引き起こす可能性がある非常に危険な状態といえます。

痛風の症状は?

尿酸の結晶ができやすい部分は手足で、特に足の関節が多いです。特徴的な症状は下記になります。

・激しい痛みがある
・赤く腫れている
・患部が熱を持つ
・足の親指の付け根、あるいは、ひざから下の部分が痛む
・一週間程度で痛みが全くなくなる


高尿酸血症になりやすい人の食生活


下記に当てはまるものがある人は痛風になるリスクがありますので注意が必要です。

・早食いや大食い
・天ぷらや揚げ物など脂っこいものが大好き
・外食やコンビニ食が多い
・間食をすることが多い
・野菜が苦手
・お酒が好きで毎晩飲む

尿酸値が高くなる原因は?

◎肥満

食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足などによる肥満が原因であると言われています。痛風の方の約60%は肥満だそうです。肥満になると、中性脂肪が尿酸の産生を促すため、尿酸値が高くなります。

◎遺伝

痛風の方のおよそ20%は家族の遺伝によるものだそうです。

◎ストレスや運動

ストレスは尿酸値を上昇させます。また、激しい運動は一時的に尿酸値を上昇させます。

◎他の病気の影響

腎機能の低下や、血液の病気があると上昇します。悪性腫瘍があると高くなる場合があります。

◎薬の影響

高血圧や糖尿病などの薬の中には、尿酸値を上昇させるものがあります。

◎女性の場合、閉経

女性ホルモンが尿酸の排泄を促すため、閉経すると尿酸値が高くなります。


尿酸値を下げるために最も大切なこと

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◎食べ過ぎを防ぐ

尿酸値が高くなる原因の1つは食品に含まれるプリン体の取り過ぎです。プリン体を多く含む動物の内臓や魚の干物は食べ過ぎてはいけません。プリン体は体内でも作られ,肝臓で尿酸に変わり尿として排泄されます。肥満になると尿酸を作りやすく排泄しにくい状態になりますので,食べ過ぎをやめて適正な体重に戻すことが,プリン体の摂取制限よりも実は大切だと最近では考えられています。
尿量が増えれば尿と一緒に多くの尿酸を排泄できますので,水は1日2リットル以上飲むことが推奨されます※。尿をアルカリ性に近づける海藻や野菜は尿路結石の予防に有効です。
※他の疾患により既に生活指導を受けている方は医師にご相談ください。

◎お酒は適量に

高尿酸血症でもプリン体の多いビール以外ならOK」などと考えていませんか?アルコール自体に尿酸値を上げる働きがありますので,それは間違いです。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒プリン体をほとんど含みませんが,アルコール度数が高いですし,何より太りやすい飲み物ですので適量に留めるべきです。

無酸素運動ではなく有酸素運動

意外かもしれませんが,ベンチプレスなどの激しい運動(無酸素運動)は肥満解消法として勧められません。新陳代謝が活発となり,尿酸値が急上昇するからです。ウオーキングなどの軽い運動(有酸素運動)を定期的に行いましょう。ストレスは尿酸値を上げます。その解消にも運動は有効です。

プリン体制限よりもカロリー制限


痛風の人はプリン体を多く含む食品は食べてはいけないという話を聞いたことがある方も多いと思います。しかし、それはまちがいです。尿酸のもとになるプリン体は、8~9割が体内で作られ、食品から入る量は1~2割程度であるということがわかっています。しかも、多くが腸内で分解されて排泄されるようです。
つまり、プリン体を含む食品を絶対に食べてはいけない、というわけではないということです。プリン体は白子、あん肝、かつおなど、特にお酒好きの方がおいしいと感じる食品に多く含まれていますが、これらを制限しすぎる必要はないということです。
最近はプリン体の制限よりも肥満にならないようにカロリー制限をすることの方が推奨されています。基本的なことですが、1日3食、規則正しく食べる、野菜を多く食べる、腹八分目にするなどの心がけが必要になります。

さいごに

今回は、生活習慣病につながる尿酸値についてお話しました。激痛が走る前に、未然に予防することと、健康診断等で尿酸値が高いという診断結果が出たら放置せず、病院受診することが大切ですね。

 

参考文献:e-ヘルスネット(厚生労働省)

インフルエンザ対策

インフルエンザの流行

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インフルエンザは普通のかぜとは異なり、突然の38℃以上の「高熱」や、関節痛、筋肉痛、頭痛などの他、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れるのが特徴です。
今回はこの冬流行しているインフルエンザについてお話します。

インフルエンザの症状

インフルエンザウイルスに感染した場合、約1~3日の潜伏期間の後、インフルエンザを発症します。突然の38℃以上の「高熱」や全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。そのあと、やや遅れて、咳(せき)やのどの痛み、鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、腰痛や悪心(吐き気)などの「消化器症状」を訴えることもあります。通常は、10日前後で症状が落ち着きます。

普通のかぜとのちがい

普通のかぜは1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性を示し、日本では例年11~12月頃に流行しはじめ、1~2月にピークを迎えます。
かぜの多くは、発症後の経過がゆるやかで、発熱も軽度であり、くしゃみやのどの痛み、鼻水・鼻づまりなどの症状がみられます。
これに対し、インフルエンザは高熱を伴って急激に発症し、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。関節痛、筋肉痛、頭痛も現れます。また、インフルエンザは、肺炎や脳炎などを合併して重症化することがあります。

症状を改善するために

インフルエンザの症状を改善するためには、体内にいるインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ「抗インフルエンザウイルス薬」の服用が有効です。抗インフルエンザウイルス薬を発症後すぐに服用を開始すると、服用していない場合と比べて発熱期間が1~2日短縮され、ウイルスの排泄量も減少し、症状が徐々に改善されていきます。
しかし、お薬を服用して熱が下がっても、体内のウイルスがすぐにいなくなるわけではありません。「症状が改善したから」といってお薬の服用を途中でやめることで、体内に残っているウイルスが周りの人に感染する可能性があります。
熱が下がったあとも、お薬はきちんと使い切り、最低2日間は自宅で療養しましょう。


インフルエンザかなと思ったら

高い熱(38.5℃以上)でない場合、また下痢等の症状がない場合は一般の風邪と同じ対応で良いと思われます。安静を中心とし、水分や栄養を十分にとりましょう。
しかし、高い熱(38.5℃以上)が出た場合は、 発症後48時間以内であれば抗インフルエンザ薬(タミフルリレンザ等)の効果(インフルエンザウイルスの増殖を抑える)が期待できます。ただし、発症後すぐに受診しても検査で陽性に出ない場合がありますので、6時間以上経過した時点で受診される事をお勧めします。
また、一般的な風邪と違いインフルエンザは咳等で空気中に飛び散ったウイルスからも感染します。感染力が強いので、感染に気付かずに出社したり学校に行くと感染を広げる事になります。疑わしい症状のある時は、必ず受診しましょう。


インフルエンザに感染してしまったら

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◎十分な休養をとる。

インフルエンザと診断されたら、安静にして十分な休養をとりましょう。体の中ではインフルエンザウイルスを倒すため、体中の免疫機能をフル活動させていま すので、その活動に集中できるよう他の活動は可能な限り避けてください。できれば熱が下がるまで、必要最小限の活動(トイレや食事)以外は寝ている事が望ましいです。

◎高熱への対処

出来る限り解熱剤の使用は避けたいのですが、高熱(38.5分以上)が続いて食事や水分が十分に取れない場合は脱水の危険も出てきますし、体力が必要以上に奪われ抵抗力が落ちてしまいます。このような場合は、医師に処方された解熱剤を使用しましょう。
薬を使う以外の方法として、脇の下や足の付け根には太い動脈が通っていますので、その部分を保冷剤や氷水等で冷やすと解熱効果が期待できます。
ただし、むやみに熱を下げようとしないほうがよいです。熱を下げる事で体内にウイルスが生き残り、治るまでに時間がかかる場合があります。

◎水分・栄養分の補給

熱が高い場合、いつもより多くの水分が体の外に出てしまいますので、こまめな水分補給が必要です。その際、糖分の摂りすぎには少し注意してください。また、お茶やお水だけでは体に必要なミネラル分が摂れませんので、イオン飲料や経口補水液等がおすすめです。
食事は、食べられる時に食べられる物を口にするようにしましょう。口当たりの良いゼリーやアイスクリーム、うどんやお粥等、食べやすいものであれば構いません。無理をする必要はありませんが、体力を落とさないためにも出来るだけ食事をとるようにしてください。
どうしても口から水分や栄養分が補給できない場合は、医療機関で点滴を受ける事も考えられます。特に乳幼児や高齢者の場合は脱水を起こしやすいので、半日以上何も口に出来ない、あるいは口にしても吐いたり下痢をしている場合は、すぐに受診するようにしましょう。

◎室内の保温・保湿

インフルエンザウイルスは低温・低湿度の条件で、増えていきます。このため、出来るだけ室温を20~25℃、湿度を50~60%程度に保つようにしましょう。1~2時間に1回程度は換気する事も大切です。口の中やノドの乾燥を防ぐためには、マスクが効果的です。

◎外出は控える

個人差はありますが、発症後3~7日間はウイルスを排出していると言われています。このため、熱が下がったからといってすぐに人の集まる場所に行くと、その人が感染源となって新たな感染を起こしてしまいます。最低でも解熱後2日間は自宅で様子を見て、その後外出する際にはマスクをして他人にうつさないよう気をつけましょう。


予防接種の効果は?

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インフルエンザワクチンの効果は接種1ヶ月後にピークに達し、3、4ヶ月後に徐々に低下していきます。長いものだと効果は5、6ヶ月続きます。10月に打てば春先まで効果がもちます。インフルエンザのワクチンは毎年10月ごろに医療機関に届き、10月中旬ごろには多くの機関で接種できるようになりますので、早めの予防接種がおすすめです。

人間が感染するインフルエンザにはA型、B型、C型の3タイプがあり、流行するのはA型とB型ですが、それぞれにさらに細かい分類があります。
ワクチンを接種しても、ワクチンと完全に一致しないウイルスに感染したら、インフルエンザを発症する可能性があります。
しかし、たとえワクチンのタイプが合わなくても、感染してから発症を抑える効果や、発症してから重症化を防ぐ効果があります。
インフルエンザでいう重症化とは、肺炎や脳症を起こすことなどを指します。たとえ40℃の熱が出たとしても、それだけで重症というわけではありません。ワクチンは入院や死亡に至るような重い病気を併発することを防いでくれます。

 

参考文献:e-ヘルスネット(厚生労働省)

片頭痛に悩まされたくない

現代のストレス社会のなかで、片頭痛で悩んでいる方も多いのではないでしょうか?今回はその片頭痛についてお話します。

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片頭痛とは

病気が原因ではなく頭痛が起きる慢性頭痛の一つ、片頭痛は、脈を打つようにズキンズキンと痛み、動くと悪化するのが特徴です。
頭の左右どちらかの片側が痛む人が約6割、両側が痛む人が約4割とされています。日本で片頭痛がある人は、約840万人と推計され、女性に多くみられます。片頭痛の持続時間は4~72時間とさまざまで、個人やその人の状況によって異なります。
片頭痛は生活に支障を来たしやすい病気です。何故ならば、動くと症状が悪化しさらに痛みが強くなるほか、強い吐き気を覚えおう吐をしてしまうなど日常生活を普段どおり送ることが難しくなるためです。
したがって、予定していた約束をキャンセルしなければならなくなったり、仕事を休まなければならなくなったりします。そういった状況が続くと、本人にとっては大きなストレスになります。
女性患者の約半数は、自身の月経に関連して片頭痛が起こることを自覚しています。月経時の片頭痛はそのほかの時期に起こる頭痛に比べて、持続時間が長い、痛みが強い、薬が効きにくいなどの特徴があります。

 

片頭痛チェック

頭痛が片頭痛かどうかを判断するチェックには、6つの項目があります。

・頭の片側に起こる
・ズキンズキンと拍動性の痛み
・がまんできない・仕事などに支障
・体を動かすと痛みが悪化
・頭痛が起こると吐き気
・光・音に敏感になる


片頭痛の主な誘因

視床下部は、女性ホルモンの分泌や睡眠、食欲などをつかさどっているため、月経や排卵、出産や更年期、寝不足や寝過ぎ、空腹などが引き金になると考えられています。
また、視床下部は自律神経もつかさどっているため、ストレスやストレスからの解放、まぶしい光、強いにおい、人混みや騒音、天候の変化、温度の変化や高い湿度、アルコールなども片頭痛を起こす引き金になると考えられています。

片頭痛の主な誘因)

・月経・排卵
・出産後・更年期
・寝不足・寝過ぎ
・空腹
・ストレス・ストレスからの解放
・まぶしい光・強いにおい
・人混み・騒音
・天候の変化
・温度の変化・高い湿度
・アルコール


こわい頭痛

ただの片頭痛とはちがって、脳などの病気で起こる二次性の「こわい頭痛」もあります。

くも膜下出血

この代表格は、くも膜下出血です。典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」で、吐き気をともなうことが多く、意識を失うこともあります。
ただし頭痛があまり目立たないこともあり、注意が必要です。ガーンとする衝撃感、気が遠くなる感じや、めまい感などの異変が、いきなり起こることが特徴です。くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という血管のコブが破裂することで起こります。再出血が起こるとより重症となってしまうため、緊急の入院と早急な治療を要します。もしも、いつもと違うなと感じたらすぐに病院で診てもらいましょう。

◎脳動脈解離、脳血管攣縮

最近、脳動脈の解離や、脳血管の攣縮による頭痛がみられることが増えているといわれています。脳動脈の解離は、椎骨動脈という脳の後方へ行く血管にできることが非常に多く、急性に後頭部の比較的強い痛みを生じます。頭痛の性状からは片頭痛や後頭神経痛などと区別することは困難で、MRI検査で明らかになることがあります。大抵は何事もなく数ヶ月で回復しますが、動脈瘤や血管の狭窄をきたし、まれにくも膜下出血脳梗塞を起こすことが知られています。
ウェイトトレーニングなどの運動や感情の昂ぶりに際して突然に頭痛を起こすことがあり、ひとつの原因として可逆性の脳血管攣縮が注目されています。脳血管の攣縮による頭痛は1~3ヶ月で良くなるのですが、症状だけではくも膜下出血などと区別はつかず、頭蓋内の出血や脳梗塞を伴うこともあり得るため要注意とされています。


◎脳腫瘍

脳腫瘍による頭痛は、突然に起こることはあまりなく、数ヶ月から数週間かけて徐々に強くなっていくことがあります。頭痛は朝方に強くなることが多く、頭痛で目覚めたり、起きてしばらくすると改善することがあります。頭痛に手足のシビレやマヒ、眼の見えにくさ、けいれんなどの神経症状を伴うときは、CTあるいはMRI検査がおこなわれます。
また、脳ドックなどで偶然に脳腫瘍がみつかることも、ときにあります。
脳腫瘍がすべて悪性のものということはありません。良性の脳腫瘍の場合、手術せずに経過を見ることもあります。手術が必要な場合、適切な治療を受ければ元の生活に戻れることも多いので、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。


自分でできる片頭痛対策

 

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◎まずは安静に

片頭痛が起こったら、まずは安静にしましょう。静かな暗い場所で安静にし、少しでも睡眠をとると症状が落ち着きます。片頭痛が起きているときは、体が敏感になっている証拠です。少しのにおいでも吐き気がしたり、騒がしい場所にいるだけで痛みが倍増したりします。また、階段の昇り降りなどの日常生活動作でも痛みが増します。光にも敏感に反応します。

◎カフェインが効果的

片頭痛が酷いときは、カフェインを含む飲み物を適量摂取することも効果的です。コーヒー・紅茶・日本茶などに含まれるカフェインは血管を収縮する作用があり、痛みの早期に飲むと脳動脈の拡張が抑えられ痛みが軽減する可能性があるといわれています。
ただし、飲み過ぎはおすすめできません。なぜなら、カフェインが切れたところで、今度は血管が逆に拡張してしまい、痛みが逆に出てしまうこともあるからです。片頭痛がするからと言ってカフェインを次々と摂取してもあまり効果がありません。

◎痛む箇所を冷やす

片頭痛の症状をやわらげたいときは、まず痛む部位をタオルなどで冷やすことがおすすめします。患部を温めたり、もんだりしてしまうと、逆効果になることあります。
また、頭痛のあるときは、入浴は控えましょう。

◎市販薬で症状を抑える

痛みがそれほど強くない場合は、市販の頭痛薬で症状を抑えることもできます。早めの処方がおすすめです。

 

参考文献:e-ヘルスネット(厚生労働省)